子供の頃の思い出

子供の頃、僕は不思議な体験をした事がある。
誰にも話せない、話しても信じられないような、不思議な体験だ。

僕の通っていた学校は、私立の小学校。
当時は「しりつ」だの「こうりつ」だの言われても意味がわからなかったが、
近所の子達と違い、ビシッとした制服に身を包み、電車に乗って学校に通っていたから、他の子たちとは違う事はわかっていた。
入学当時は恥ずかしかったし近所の友達と遊べなくて嫌な思いをしたが、
5年生のときには既に学校に友達が出来ており、気にはしなくなった。
この学校は男女問わずクラスメイトの仲が良いのも原因の一つだったのだろう。

丁度、その不思議な体験をしたのも、小学5年生の夏休みの時だった。
僕の学校のプールはとても大きいが、学校指定のスクール水着でないと入る事の出来ない場所だった。
僕はそんなプールに、男女問わずクラスメイトを数人誘い、遊びに行った。
だが、その日はプールの設備が壊れており、なんと水が無かったのである。
大きなプール故に、水が張るまで1時間近くかかる。
そこでクラスメイトの一人が提案した。
「プールに水が張るまで、プールサイドで遊ばない?」
僕たちはすぐにそれに賛成した。

その後、いろいろあって、僕は2人の女子と「だるまさんが転んだ」で遊ぶ事になった。
二人とも青いスクール水着を着た、とても可愛い女の子だ。
それだけでも見るのが恥ずかしいのに、そんな彼女達の普段のブラウスの制服姿しか見ていない僕にとって、
ふとももや二の腕が丸見えな彼女達の姿は少しだけ刺激的だった。
もう少し年齢が上なら、その時点で「勃起」して、2人の美少女達に嫌そうな顔をされただろう。
だが、その恥ずかしさが性的感情だと理解できない当時では勃起する事も無く、目線をそらす事で事なきを得た。

じゃんけんで負けて鬼になった僕は、金網に顔をつけて2人の少女達から目を離す。
そして、「だるまさんが転〜んだ!」と叫び、後ろを振り向いた。

……刹那、今まで体を覆っていた暑さがすっと抜けていく感触を感じる。
そして僕は、どうしていいかわからなくなった。


プールに流れ込む水が、氷のように固まる。
耳ざわりだった蝉の音も、凍りついたかのように聞こえなくなる。
そして……僕が見つめた美少女は2人とも、石になったかのように動かなくなっているのだ。

「ねぇ?どうしたの?」
意外と冷静だった僕は、一番前にいたツインテールの少女、松末下ゆいかちゃんに話しかけた。
クラスで一番の人気者で、物腰爽やかなお嬢様。皆の憧れの的の少女である。
ゆいかちゃんは笑顔で、僕の方に右手を伸ばしながら歩いているポーズで固まっている。
僕はそんなゆいかちゃんの顔の前で、手を上下にさせてみる。 しかし反応は無い。
何かの遊びかと思い…というより、そうであってほしいと願いながら…僕は、彼女を横から押し倒そうとした。

ゆいかちゃんはそのポーズを変える事無く、コテンと倒れこんだ。
「……… こ ここなちゃん! ゆいかちゃんが!!」
僕はすかさず後ろにいた高乃草ここなちゃんに呼びかけた。
彼女はゆいかちゃんと同じくクラスで人気の美少女ではあるが、彼女と違い、活発で元気な女の子である。
ショートボブの髪にこんがり焼けた小麦色の肌から、活動的な少女のイメージを与える。
…というか、幼稚園のころから活動的な子である。僕の幼馴染だ。
そんな彼女だが、しかし今は僕を笑顔で見つめ、左手を出して今にも走り出そうなポーズのまま、その場に停止している。
どうやらダッシュで一気に勝負を決めるつもりだったらしい。

しかし、今、ここなちゃんもゆいかちゃんと同じく、石になったかのように動かない。
僕は察した。 「時間が止まっているんだ!」と。
若干飛躍的な思考かもしれないが、ちょうど某国民アニメでそのような話をしていたし、
当時子供の僕には、非現実的な事もすぐに信じる事が出来たのである。

最初はどうしようかと悩んでいたが、しかしその悩みはすぐに吹き飛んだ。
目の前にいるのは、カチンコチンに固まったクラスメイト…の水着姿。
ここで、先程水着姿の同級生の姿を見て芽生えかけていた僕の「性」が、一気に爆発した。
僕はすぐさま水着を脱ぎ、目覚めて大きくなった「それ」をむき出しにする。
変な眼で見られるから、嫌われるのが嫌だから凝視すら出来なかった二人の水着少女。
時間が止まった二人を見て、僕は… いわゆる「自慰行為」をしていた。

絶頂が来るのは早かった。
当時は射精は出来なかったが、生まれて初めて「イッた」時の感覚は、今でも覚えている。
しかし、僕の性欲はそこで止まることなく…むしろ、目の前の少女を更に恥ずかしい恰好にしてやろうと思っていた。
地面に倒れていたゆいかちゃんの水着を、僕は脱がし始めた。
水着は思ったよりすぐに脱げ、目の前には初めて見る女子の裸が飛び込んでくる。
「うわあ……。」
僕は感激した。
母親や妹の裸くらいしか知らない僕が一番最初に思った事は、この年齢でももう胸はちょっとあるんだな。と言う事だ。
ゆいかちゃんは笑顔のまま、僕に脱がされた。
僕はそんな彼女の「下」の方を、恐る恐るつついてみた。
その感触は柔らかった。
笑顔で僕に裸にされたゆいかちゃんを見て……僕は、次に「キス」をしていた。
少女の柔らかい唇を舌でこじ開け、口の中に唾を送り込み、そして小さな舌を蹂躙する。
獣のようなファーストキスを、僕は人形になったゆいかちゃんに行った。
気持ち良かった。
キスの感触自体もそうだけど、今までクラスメイトの誰もが、仲良く話す事は出来ても、独占する事が出来なかったゆいかちゃんを、
僕は好き勝手、やりたい放題しているという感触が。
僕はキスをしながら、ゆいかちゃんの裸で自分の性器をしごく。 ……中には入れていないけど、お臍でごしごしとこすっていた。
やがて絶頂が来ると同時に…僕はもう一人の美少女の存在を思い出した。


カチンコチンに固まっている、スクール水着姿の幼馴染。
彼女が僕をどう思っているかは知らないが…僕は彼女の事を、少し前まで鬱陶しいと思っていた。
死んでほしいとかいなくなって欲しいとまでは言わないが、普段は離れてほしいと。
思春期が異性に抱くには当たり前の感情。
男女の幼馴染の関係はそうやって疎遠になり、やがて無かった事になるのだろう。
だが、僕は、時間が止まり固まったここなちゃんを見て、その感情は吹き飛んだ。
普段はうるさく活発な彼女が、動かなくなるだけで異様なほど魅力的に思えたからだ。

ゆいかちゃんにスクール水着を着せて何とか立たせた後、僕はここなちゃんの顔を見つめる。
……動く気配は無いらしい。ボブカットの少女はずっと、氷漬けになったかのように笑顔のまま動かない。
だが、僕が少し体を触れば、その石像は人間に戻る。
スクール水着の上から胸を揉もうとした。だが、どうやらゆいかちゃんのように「ある」わけではないらしく、面を触ることしかできない。
「なんだ、つまらない……。」
僕は幼馴染に触れてそう呟いていた。 彼女も美人だが、昔からの付き合いが邪魔するのか、どうも乗り気ではない。
先程の美しいと思う感情も、なぜか吹っ飛んでいた。
……それが自慰行為の後に来る独特の怠惰感なのだが、自慰初体験の僕がその事を知る筈もなく、僕はやっぱりここなは鬱陶しいのかなとか思っていた。


その後、もともとの配置に戻った僕は「そろそろ時間が動いてくれないかな」と念じたら、その通り、止まっていた時が再び動き始めた。
しかし、「だるまさんが転んだ」という声が聞こえていないのか、ゆいかちゃんが僕にタッチをする。
どうやら僕が脱がした事には気付いていないらしい。
後ろでは、先程まで固まっていたここなちゃんが僕を罵倒するが、今まで水着姿をじろじろ見た罰だと思い、僕は言いかえさなかった。


そして僕はその時から、時間停止能力者の道を歩みだす事になった。
「だるまさんが転んだ」とつぶやくだけで時間が止まり、「時間が動いてほしい」と願うだけで止まっていた時間が動きだす。
3学期になるまで、僕はその能力を、少し長く寝たい時や、テストでカンニングをしたい時にしか使わず、
再び性的な事に……しかもその対象が、あの時萎えた「幼馴染」に使うなど、思ってもいなかった。

その時は、中学校の制服採寸の時間だった。
僕の通っている学校は高校までエレベーター形式な為、比較的早めに制服の採寸を行う事が出来るのである。
6年生になれば、中学校の……今までの学ランやセーラー服に比べて少しだけ大人っぽいボレロ制服。
夏服に関してはチェックのジャンパースカートで、今の僕から言わせれば「OLっぽい」服装である。

その時僕は、学校に忘れ物をしていた。
しかし忘れ物はこの学校ではご法度だ。 故に僕は、「だるまさんが転んだ」で時間を停止させ、学校に忍び込んでいた。
そして教室に行った僕の目の前に飛んできたのは、着替え中のゆいかちゃんの姿だった。
彼女だけではない、いつも授業を受けている教室中に、固まった着替え中のクラスメイト達の姿がある。
中には、乳首とぱんつを丸出しにしたまま友人と話している少女の姿も見受けられる。
「な なんで……?」
僕はすぐさま、制服採寸の事を思い出す。
彼女達は制服を着る為に、下着姿になっている途中で、だるまさんが転んだの力により固まっている。
動かない少女達は、僕に乳首やぱんつを見られている事も知らないだろう。

興奮し、あそこを大きくした僕だが、しかし今は忘れものの方が大事だと思い、思い切って教室の中に入る。
が、扉を開けた瞬間、その「大事なもの」が頭からすっ飛んだ。
柔らかい感触が僕を襲ったからだ。
僕は「誰か」にぶつかり、その誰かが、スカートを下ろそうと手を掛けている状態のまま倒れる。
僕は頭を押さえ、その誰かに謝ろうとした。 …動きもしないのに。

だが、そんな僕の目には…… 一瞬、自分の目がおかしくなったかと思わせる物が写っていた。
その誰かは、困った表情でスカートを下ろしたまま固まっている…あの幼馴染。ここなちゃん。
「……え!?」
乳首を丸出しにし、スカートとぱんつだけのままお尻を突き出している幼馴染が異常な程美しく見えた僕は、つい声を上げてしまう。
あの夏の日と同じ顔、同じ髪型なのに……体はしっかりと成長していたからだ。
と言ってもまだ小学生の域を超えていないのだが、それでも当時の僕にとっては、なんか幼馴染が大人のお姉さんになった感覚に襲われた。
僕のあそこはぐんぐん大きくなり……そしていつの間にか、僕は全裸になり、彼女を脱がしていた。

僕の荒い息を吹きかけられても、ここなちゃんは反応すらしない。
人形になったここなちゃんのぱんつとスカートを完全に脱がし、僕は彼女の「乳首」にしゃぶりついた。
美味しそうだと思ったが、味はしなかった。
だけど口には、ぷるんとした心地の良い感触が広がる。膨らみかけのおっぱいも、枕にするには丁度良いかもしれない
僕はそのまま彼女の上に乗り、そして、あの夏の日にゆいかちゃんにした以上のキスをした。
口の中に口を入れ、歯茎を、舌を…幼馴染の口を蹂躙した。
そして僕は……生まれて初めて、女性の体に「射精」をした。
勿論中には出していない。 ……だが、初めて飛び散った白い液体に、僕は慌ててしまい……そしてそのまま部屋の外に出てきてしまったのだ。
時間も動かしてしまったが、ここなちゃんの悲鳴も聞こえず、余り大事には至らなかったらしい。

その後すぐ、ここなちゃんは引っ越してしまい、幼馴染との縁は完全に途切れてしまった。
僕の時間停止が問題ではなく、単純に親の仕事の関係らしい。


以上が僕の不思議な経験である。
余談ではあるが、ゆいかちゃんも真面目でハンサムな彼氏を作り、幸せな人生を送っている。
僕の方は時間停止を使い、何不自由ない人生を過ごしているところだ。
特に、性に関しては不満は無い。
何故なら僕が少しつぶやくだけで、世界中の全ての女性を、僕のダッチワイフにする事が出来るからだ。
とはいえ、獣のように犯したりはせず、自重はしているが……。

だが、僕は今でもここなちゃんの事が大好きである。
向こうの方は僕の事を忘れているだろう。
そして…向こうは毎日僕に時間を止められ、キスをされている事を知らないだろう。
「ファーストキスはまだ取っている」と嬉しそうに話す女子高生になった彼女を、僕は止める。
ピタッと止まった彼女に、僕はディープなキスをし、そしてあの時と同じように、乳首にもキスをしていた。



僕は子供のころ、不思議な体験をした。
そして今、僕はその不思議な力を会得し……、自由気ままな人生を送っていた。



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