橘幸太郎の人形遊び

遠野秋葉編

最近は暖かくなり春の衣替えの準備を始めだしたここ橘邸

幸太郎も寒さに悩まされること無く目が覚める日が増えたので

とても気分がよかったのだった

学校から帰ってきて地下室の作品作業場へ降りていった

今そこには時間の止められた遠野秋葉がいた

クリスマスが終わってから地下の作業場に置いていたのだった

さすがに12月から3月まで地下に置いていた為に体中埃まみれで

服にも蜘蛛の巣が掛かっており髪の毛も白い埃がついていた

いくらなんでも汚いと思い秋葉を入浴場へ連れて行った

来ていた服を全部脱がして近くのコインランドリーへ向かい

そこで服を洗濯した

時間が動いていると何かと面倒なので時間を止めて

入浴に入れていたのだがかなり苦労していたのだった

何しろ時間が止まっているためシャワーが出ないばかりか

水道も動かないのだった

仕方が無いので浴槽からお湯を汲んできて直接秋葉の体に

掛けなければならなかった

しかも掛けようとしたら空中で静止して止まってしまうので

直接手でクリームを塗るような感じで作業するのであった

時間停止空間ではボディソープは役に立たないので

固形石鹸を使って洗うことにした

シャンプーとリンスも旅行用の袋の入った物を使用した

時間が止まっているとはいえ女性の体を洗うことは

かなりドキドキしており洗い終わるのに時間が掛かった

ようやく洗い終わったあとに浴槽に浸からせて体を洗った

その後体を拭いた後自分の部屋でドライヤーを使って

長い髪の毛を乾かした

こういった作業をして何となく老人介護の職員の大変さが

分かったような気がするのであった

服はニーソックスや下着類は殆ど汚れていなかった為に

裸のままというのも気まずいのでニーソックスと下着を

着せることにした

時間を動かしたが秋葉は元の世界に戻らなければ動かないので

人形のように止まったままだった

コインランドリーの洗濯も秋葉を入浴での作業は時間を止めていたので

殆ど動いていない状態だった

仕方が無かったので1時間半の間下着姿の状態ですごすこととなった

ベッドに座らせて自分は隣に座り人形に抱きつく子供のように

抱きついてじゃれていた

兄妹のいない幸太郎にとっては本当に妹できたような心境だった


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