橘幸太郎の暇つぶし

第6話

幸太郎の部屋ではメルトが何時もの様に遊びに来ていた。
すると幸太郎が学校から戻ってきてすぐに転送装置で異世界へわたった。


そして数分後・・・・・


「ただいま」
「おかえり、どこへ行っていたんだ?」
「ちょっと異世界に」
「何でまた?」
「文化祭の準備だよ」
「それで異世界か?」
「まぁね」
彼の学校で文化祭が開かれる時期が来たのだ。
そこで彼のクラスはどんな出し物をするかを話し合った結果、リアルな人形を作ることにしたのであった。
そこで幸太郎は自分ひとりで作ると、皆に言ったのだった。
「それで時間を止めた人間を展示品に出すってことか」
「たまには手を抜こうと思ってね」
「でも流石に怪しまれないか?」
「というと?」
「こんなリアル過ぎるとどうやって作ったのか怪しまれるだろ。おまけに感触も人形というより人間そのものだぞ」
そういって時間の止まった人物の顔を撫でる。
「その辺りは人形作りの先生に教わったってことにしておくよ。短時間で作り上げたのは以前作りかけの仕上げたって言っておくよ」
「でも触られたりしないか?」
「触らないように看板でも立てておくさ、いざって時にはこのリモコンで何とかするよ」



=文化祭当日=


「凄いな幸太郎」
「本当に作り上げるなんて」
「流石天才は違うな」
幸太郎の展示した人形は多くの人たちが見に来ていた。
その本物そっくりの完成度に釘付けなのだった。
「しかし本当に本物みたいだな」
「いえいえ・・・・(本物の人間ですから)」
そんな事を心で思っていたのであった。

こうして幸太郎の人形は最終日までばれる事はなかった。
そして自分の家まで持ち帰った後も自分の部屋に飾っておいた。


「それでどうするんだ?」
「もう暫くここにおいておくよ、スケッチや写真も取っておきたいしね」
そして暫くの間幸太郎の部屋に『アイヴィー』が飾られることになったのだった。



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