橘幸太郎の暇つぶし

第4話

幸太郎はメルトと一緒に町へ遊びに来ていた。
同じ地球とはいえ平行世界ということもあってかメルトにとっては、かなり珍しい物も多々あるようだ。
「こっちの世界もいろいろと面白いな」
「気に入ってもらえて嬉しいよ」
現在彼らは遊園地の露店で昼食をとっていた。
二人はよき友人となって時々二人で遊びに行っているのだった。
「それで俺がお前にあげた発明品はどうだ?」
「とても役立っているよ、お礼の一つでも返したいくらいだよ」
「礼なんていらないよ、君にそれをあげたのは僕の気まぐれさ」
「でも・・・」
「いいから、早くジェットコースターに乗るぞ」
「ちょっ・・・ちょっと」



こうしてメルトは閉店時間まで付き合わされることになった。
しかも乗ったのは自分の苦手な絶叫マシーンばかりであった。
「つ・・・・疲れた」
苦手な絶叫マシーンをぶっ続けに乗ったので時間をとめて道路で寝そべっていた。
ある程度回復したので家に帰宅することにした。
「でも帰っても暇なだけだしな・・・」
そんなことを考えていると、人気のない公園の茂みの奥になにやら人影が見えた。
「何だあれ?」
何だろうと茂みの中へ入ってみると、それは抱き合っている二人の女子生徒であった。
しかも幸太郎はその二人の制服には見覚えがあった。
「確かこの制服はお嬢様専門の女学院の・・・。何やっているんだこんなところで」
二人の荷物を調べてみたらその二人は女学院の生徒会長と副会長だった。
「なるほど、女学院の生徒会長と副会長が隠れてデートってことですか・・・。あの女学院は同性愛者が多いって噂があったけど本当みたいだな」
そして何かを思いついた幸太郎はその二人を担いで行ってしまった。
その途中に自分の学校の斉藤先生とその横には自分のクラスの女子生徒がすれ違っていたようだが、互いに気づいていない様子だった。
そしてその二人も担いで家に連れ帰った。


「さてと、始めるか」
家に連れ帰ると今度は4人の服を全て脱がせてメジャーを使ってサイズを測ってメモをとった。
「こんなものか」
そして今度は場所を大広間に移動してさらに4人に持ってきた服を着せた。
その服はパーティーなどに使うドレスでありカップを持たせ椅子に座らせてお茶会の様な風景となった。
こうして暫くの間時間の止まったお茶会を楽しんだのであった。



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