橘幸太郎の暇つぶし

第1話

人生とは送り方次第で楽しくもつまらなくもなる。
どう送るかはその人間次第であり、生まれた環境・育った環境・がんばる努力・生まれ持った才能などとそう言ったものを駆使して人生を歩んでゆくのであった。

しかし、恵まれた環境に生まれても人生をつまらなく生きているものもいる。
彼もそんな人生を送っている一人であった。
「はぁ〜、退屈な授業が今日も終わった・・・・・」
橘幸太郎
職業:高校2年生の生徒会長
大富豪の橘グループの父を持つ御曹司であり、母も父の秘書を勤めており恵まれた環境で生まれ育った。
彼は生まれながら才能に恵まれており学力もとても高くたいした努力もしないで全国で1位をとることは珍しくなく
スポーツも一回見ただけで何ヶ月も練習している部活の先輩も敵わなくさらに数日練習するだけで
プロも顔負けの腕前を持っていた。
俗に言う天才という種類である。


だが、恵まれた環境と生まれ持った天才的な技術と知能。
そのおかげで彼の人生はとても退屈していた。
テストでもいつも満点でスポーツでもエースになり欲しい物もいつでも買える。
しかし人付き合いは悪い方ではなくかなりフレンドリーな方である。
そう言った筋書き通りのストーリーみたいで飽き飽きしていた。
「何か・・・・一度非常識なことが起きてくれないかな・・・・」
そう独り言をつぶやくと彼は一人、人気のない廃墟の病院へやってきた。
理由はない・・・何か面白いことがないかなと思ったからであった。
「・・・・くだらない」
そういって帰ろうとした時、あたり一面がパーッと光りだした。
「なっ・・・なんだ!?」
するとその光の中から一人の男が出てきた
その男は白衣を着ておりいかにも科学者と思わせるような格好をしていた。
「どうやら無事到着したようだな」
「おい、誰だお前?」
「えっ?」
二人は目を合わせて気まずい沈黙が暫く続いたが最初に口を開いたのは幸太郎だった。
「今のは何だ・・・・何かの撮影か?」
「いや・・・その・・・別に・・・・」
この時彼はなんか変なことに巻き込まれたのではないかと思いはじめた。
「周りには撮影スタッフの気配がないし、もしも俺が撮影の最中にカメラに割り込んだら
声をかけられるのが・・・それがないってことは、違うって認識していいんだよね?」
「意外と冷静だね」
「結構驚いているけどね・・・・見たところ悪い人ってわけでもなさそうだしね」
「まぁ、悪人じゃないことは確かだけどね、ここで立ち話も疲れるから場所を変えない?」
そして二人は幸太郎の家へ向かい彼の部屋で
話をしていた。
「平行世界の科学者?」
「そうだ、パラレルワールドという言葉だけでも聞いたことくらいあるだろ」
「信じられないけど・・・あれを目の当たりしたからには信じないわけにもいかないな
けど何でこの世界に来たんだ?」
「様々な平行世界の調査、およびデータ収集が目的なんだが・・・・それはついでで
遊びに来たのが大きな目的かな」
その発言に幸太郎は少しこけかけた。
「何だそりゃ・・・・」
「しかしあんたは羨ましいな、こんな立派な豪邸住んでいて財閥の御曹司のうえに天才的の才能を持っている
もはや言うことなく人生を楽しんでいるだろ。」
「いや・・・・そうでもないよ」
幸太郎は少し寂しい顔でそう答えた。
「さっきも話したけど、僕の両親は財閥の仕事で日本に来ることは殆どいなくて
それにこの才能のおかげで人生に刺激が少なくてとても退屈しているんだ。」
そう答えると力のない笑顔を見せた。
「そうか、そんなに退屈しているならお前にこれをやるよ」
カバンの中から取り出したのは変わった形の腕時計とリモコンであった






=翌日=
「結局このリモコン昨日は使う機会がなかったな」
幸太郎はもらったリモコンと腕時計を学校に持ってきて使う機会を探していた。
「とりあえず一回使ってみよう、やって見ないと分からないからな」
幸太郎はリモコンのポーズボタンを押してみた。
すると辺りが静寂に包まれて教室や廊下の生徒たちが人形のように動かなくなった。
動いているのはリモコンのボタンを押した幸太郎だけであった。
「すげぇ・・・これは本物だ」


=昨晩=
『何だこれは?』
『これは私が作ったタイムリモコン、つまり時間を操るリモコンだ』
『まさか・・・・』
『私にかかればこれくらい朝飯前だ、君たちの世界と私の世界の法則は違うからな』
『でも、時間が止まったりしたらその人は普通の数倍年をとったり、そうでなくても時間が止まったら光も音も空気も止まるわけですから
見ることも聞くことも出来ませんよ』
『分かっている、だからこの腕時計を腕につけるんだ』
『こっちは何ですか?』
『これは時間停止とかのデメリットから使用者を守るシールド発生装置だ
これを付けておくだけでシールドが使用者の体を包むようにして守ってくれるのさ
まぁ明日使ってみるといいさ、私も当分こっちの世界にいるつもりだからな
その腕時計は横のスイッチを押すと私と連絡が取れるようになっているから何かあったら連絡をくれ』



そして再生ボタンを押すと何事もなかったかのように時間が動き出した。
「凄いな・・・・こいつはいい暇つぶしになるぞ」
昼休み早速時間をとめて学校中を回り始めた
「このリモコンさえあれば世界征服なんて夢じゃないな
といっても俺は悪人じゃないからそんなことには使わないけど
ヒーローをするほどってわけでもないけどね」
ようはちょっと悪戯が出来るくらいで暇が潰せれガそれでいいのだ。
体育館裏へ行くと不良男子がタバコを吸っていた
「全く、未成年の喫煙はいけないって言うのに・・・お仕置きだね」
そういって全員のタバコを持っている手を自分の手に押し付けて根性焼きさせて
灰皿に使っている空き缶をドラゴン花火に摩り替えた
そしてその場を離れ図書室で本を読んでいる振りをして時間を動かした
すると外の方でさっきの不良騒いでいる叫び声が聞こえた
幸太郎はにやりと笑って
「天誅、なんちゃって」
と小声で言った。


そして廊下で数学担当の斉藤麗華先生を見つけた。
麗華先生は男女の生徒から人気が高く性格もとても優しくで美人ということで評判だ
幸太郎もそんな彼女に憧れていた。
そしてリモコンで時間を止めて彼女の近くにやってきた。
「先生って近くで見ると綺麗だな・・・・」
いつもはその先生を抱えて屋上へ向かった
時間が止まっているのでそれほど重くはなかった
屋上につくとそこに立たせて腰まで伸びだ黒い髪を撫でて着ているスーツとシャツを脱がせ
さらにスカートとストッキングも脱がせた。
先生がしていた下着は黒い派手な勝負下着だった
「何時もこんなのつけているのかな?」
ちょっと疑問に思ったがポーズをとらせて写真を撮った。
針金の人形のようだったのでポーズをとらせるのは簡単に出来た
「先生って意外と胸が大きかったんだな」
何時もスーツだったから分からなかったけど
下着姿の彼女は胸が大きく綺麗な形をしていた。
「写真も撮り終えたし、ちょっと休むとしようか」
すると幸太郎は下着姿の先生と一緒に寝転がり
彼女を抱き枕にして顔を胸に埋めて寝てしまった
そして暫くたって幸太郎は・・・・
「・・・・お母さん・・・」
と寝言を言ってしまったのだった
仕方がないと頭では分かっていても、母親に甘えたい年頃なのであろう



こうして平行世界から来た科学者とであった
橘幸太郎の非日常な日常が始まったのだった。


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