笛の音色

聖杯戦争が終わって数ヵ月後

時間が過ぎるのは遅いようで早い

あの生死をかけた戦いがまるで昨日の出来事のように思えた

そんなある日の物語

日は昇り始め人々が目を覚まし始める時刻

とある旅館のような家では

「先輩、お早う御座います」

「あぁ、おはよう」

衛宮士郎と間桐桜はあの聖杯戦争の後

一緒に士郎の家に住むことになっていた

そして今桜はようやく幸せを手にする事ができたのだった

「お早う御座います、士郎・・桜」

彼女は桜のサーヴァントのライダーで

あの戦いの後彼女もまた共に生活をしていた

今日は土倉の整理をしていた

簡単な掃除程度で一人でもそれほど苦労などはせず終わらせた

「あれ、何だこれ?」

片付けを終えた時に今まで気づかなかったが少し大きな箱があった

あけて見ると耳栓と一つのホイッスルだった

その他には使い方と思わしきメモの切れ端が入っていた

『この笛の音色を聞いたものは半径10メートルの時間が止まります』

『時間を動かすときはもう一度笛を吹いてください』

『使用上の注意:使用の際には笛の音を遮断する特殊な耳栓を

耳につけてから使ってください』

「つまり吹いた本人にも効果があるってことか」

父も魔術師だったがたまにこう言った変なものも混ざっている

「ちょっとやってみようかな」

好奇心に駆られ早速吹いてみようと思って土倉にあったスーパーボールで

実験してみようとした

説明書きには

『無機物・無生物にも有効です』

と書かれていた

スーパーボールを思いっきり床に弾ませて

そのまま落ちてきたところで笛を吹いた

するとボールが空中で静止し止まっていた

「これは・・・本物だ・・・」

もう一度吹いてみると何事もなかったかのように地面に落ちた

居間に戻ってみるとライダーが読書をしていた

「おや士郎、もう終わったのですか?」

「あぁ、今さっき終わったよ」

「その笛は?」

「あぁ、さっき土倉で見つけたんだよ

親父が昔持っていたものらしいけど」

「そうですか」

「一体どんな時に使っていたのか分からないけど」

「士郎、そろそろ桜が買い物から帰ってくる時間です」

「おっともうそんな時間か」

ライダーが立ち上がろうとした瞬間に笛を吹いたら

そのまま動かなくなった

「どうやらサーヴァントにも効果があるみたいだな」

顔を除いて見るとライダーは全く反応を見せなかった

服を脱がしてみたら途中で魔眼殺しのメガネが服に引っかかり

外れてしまいうっかり目を合わせてしまった

「あっ!」

ライダーの目は相手を石に変える魔眼で目を合わせたものを

石にしてしまうのだが全く効果がなかった

「ひょっとして時間が止まっているから効果も止まっているのかも」

ズボンを下ろして下着姿になってしまっても人形のように

全く動かなかった

ライダーのとても綺麗なプロモーションをしていてあれから数ヶ月たつが

彼女にはやはり何度か見とれてしまう

下着姿ともなれば余計に見とれてしまう

「ただいま先輩」

ちょうどその時桜も帰ってきたので士郎は玄関へ出向いた

「お帰り、荷物を持つよ」

「ありがとう御座います」

買い物の袋を取ろうと屈んだときにドサクサにまぎれて

笛を吹いて桜の時間を止めた

買い物の品を片付けると桜を担いでライダーのいる今に持っていった

桜も下着姿になってライダーと抱き合わせてみたが

とても綺麗だった

ついでに下着も全部とって全裸で抱かせて見たら

すごく良かったと士郎は思った

暫く桜とライダーは全裸のまま抱き合うことになった



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